激戦の記憶 生き残ったのは4人だけ…97歳元兵士が語る戦争の惨状と平和への願い

2025-08-15
激戦の記憶 生き残ったのは4人だけ…97歳元兵士が語る戦争の惨状と平和への願い
毎日新聞

激戦の記憶 生き残ったのは4人だけ…97歳元兵士が語る戦争の惨状と平和への願い

第二次世界大戦終結から80年。それでも、戦争の傷跡は深く、多くの人々の心に消えない記憶として残っています。大分県国東市に住む山下和明さん(97歳)は、日中戦争と太平洋戦争という激動の時代を生き抜き、数々の悲劇を目の当たりにしました。

10代の頃、山下さんは戦場に立たされ、弾が飛び交う前線で仲間たちが次々と命を落とす様子を体験しました。当時の記憶は、今も鮮明に彼の脳裏に焼き付いています。「54人の同期がいたんだ。生き残ったのは4人だけじゃ」と山下さんは語り、戦場の過酷さを物語っています。

彼の体には、今も当時の米軍の手投げ弾の破片が残っています。激しい爆発によって吹き飛ばされた破片は、彼の体に深く突き刺さり、激痛とともに戦争の現実を突きつけました。山下さんは、その痛みを抱えながらも、戦争の悲惨さを後世に伝えようと語り続けています。

「目の前で友人が息絶えた。渡されたのは、ただの小指だった」と山下さんは、当時の凄惨な状況を語ります。言葉にならないほどの悲しみと絶望が、彼の声から伝わってきます。戦争は、多くの人々に深い心の傷を残し、取り返しのつかない損失をもたらしました。

終戦から80年が経った今、山下さんは平和への願いを強く持っています。「もう二度と、このような悲劇を繰り返してはならない。若い世代には、戦争の恐ろしさをしっかりと伝え、平和の大切さを学んでほしい」と彼は訴えます。

山下さんの語る戦争の記憶は、私たちに平和の尊さを改めて教えてくれます。戦争の犠牲者への追悼と、平和な未来を築くための決意を新たにしなければなりません。

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