【希望の光】全染色体出生前診断、2025年度に臨床研究開始!ダウン症候群だけじゃない、より多くのリスクを早期発見へ

2025-03-10
【希望の光】全染色体出生前診断、2025年度に臨床研究開始!ダウン症候群だけじゃない、より多くのリスクを早期発見へ
毎日新聞

妊婦さんの安心のために:全染色体NIPT臨床研究が動き出す

現在、妊婦さんの血液検査で胎児の染色体異常を調べる出生前診断(NIPT)は、ダウン症候群などの特定の病気を対象としています。しかし、この検査の対象を全ての染色体に拡大する臨床研究計画が、日本医学会が認証する全国の大学病院など14施設の研究チームによってまとめられ、関係学会に伝達されました。この画期的な研究は、2025年度にも開始される予定です。

なぜ全染色体NIPTが必要なのか?

現在のNIPTは、主にダウン症候群、エドワーズ症候群、ターナー症候群といった特定の染色体異常の検出に特化しています。しかし、染色体異常は、これらの病気以外にも様々な先天性疾患や発達障害を引き起こす可能性があります。全染色体NIPTは、より広範囲な染色体異常を検出することで、より多くのリスクを早期に発見し、適切な対応を可能にする可能性を秘めています。

臨床研究の概要

この臨床研究では、エコー検査で胎児に異常が疑われた約2000人の妊婦が対象となります。研究チームは、全染色体を調べることで、従来のNIPTでは検出できなかった潜在的なリスクを明らかにすることを目指します。得られたデータは、より正確なリスク評価や、個々の妊婦さんにとって最適な医療介入の判断に役立てられるでしょう。

研究の意義と今後の展望

全染色体NIPTの臨床研究開始は、出生前診断の分野における大きな進歩です。この研究によって、妊婦さんとそのご家族が、より多くの情報に基づいた選択肢を持つことが可能になります。また、出生前診断の精度向上だけでなく、胎児の健康状態をより深く理解するための基礎となるデータも得られることが期待されます。

研究チームは、安全性や倫理的な側面にも十分配慮しながら、慎重に進めていく方針です。全染色体NIPTが、将来的に広く普及し、多くの妊婦さんの安心と健康に貢献することを願っています。

染色体ってどんな役割?

染色体は、私たちの体を構成する細胞の中に存在する、遺伝情報を持つ構造物です。各染色体には、身長、体質、病気のかかりやすさなど、様々な特徴を決定する遺伝子が詰まっています。染色体の異常は、様々な先天性疾患や発達障害の原因となる可能性があります。

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