「本気で食糧安全保障を考えるなら…」 元農相の地元・宮崎の農家の声:米作りを守るための切実な願い
参議院選挙公示から始まった選挙戦。国民生活を直撃する米価高騰の中、かつて「コメを買ったことがない」「売るほどある」と発言し、事実上更迭された江藤拓元農相の地元である宮崎県宮崎2区の農家は、政治に何を求めるのか。彼らの声は、食糧安全保障という国の根幹に関わる問題提起として、私たちに深く考えさせる。
宮崎県西都市でコメとピーマンを栽培する松浦淳二さん(46歳)は、「農家が減ってコメが作れなくなれば、国も崩壊する。農家が生き残っていけるような政策を」と訴える。彼の言葉には、米作りを続けることへの不安と、未来への強い危機感が込められている。
食糧危機迫る? 農家の現実と切実な願い
日本の農業を取り巻く状況は厳しい。後継者不足、高齢化、耕作放棄地の増加など、様々な問題が複合的に絡み合い、米の生産量は年々減少している。米価高騰は、消費者にとっては家計への負担増となる一方、農家にとっては、資材価格の高騰や人件費の増加により、経営を圧迫している。
「米作りは本当に大変な仕事です。朝早くから晩遅くまで、土と汗にまみれて働いているのに、なかなか収入が増えない。若い世代が農業に就く気も起きないのが現実です」と松浦さんは打ち明ける。さらに、「食糧安全保障を考えるなら、まずは農家の生活を守る政策が必要です。米の価格を安定させ、収益を改善しなければ、米作りは成り立たない」と主張する。
政治に求める政策とは?
農家が政治に求めるのは、単なる補助金や支援策ではない。持続可能な農業経営を実現するための、構造的な改革だ。具体的には、以下の点が挙げられる。
- 米の価格安定化: 輸入米との競争を緩和し、国内生産の維持・拡大を図るための政策。
- 生産コストの削減: 肥料、農薬、燃料などの資材価格の高騰を抑制するための対策。
- 若手農業者の育成: 農業の魅力を伝え、若い世代の就農を促進するための支援。
- 6次産業化の推進: 農産物の加工、販売、観光など、農家が新たな収入源を確保するための取り組み。
食糧安全保障は国民の課題
食糧安全保障は、個人の問題ではなく、国民全体で取り組むべき課題だ。食料自給率の向上、国内農業の振興、そして農家の生活を守るための政策こそが、国の未来を左右する。今回の選挙戦において、各政党が食糧問題に対する具体的な政策を打ち出し、国民の理解と支持を得ることが求められる。
松浦さんの声は、日本の農業が抱える問題の深刻さを浮き彫りにするとともに、食糧安全保障の重要性を改めて私たちに訴えかけている。政治は、農家の声に耳を傾け、国民の未来を見据えた政策を打ち出すべきだ。