暗号資産規制、銀行への柔軟性求めず?業界団体が政府へ提言 - 法整備の遅れがイノベーションを阻害する可能性

2025-08-20
暗号資産規制、銀行への柔軟性求めず?業界団体が政府へ提言 - 法整備の遅れがイノベーションを阻害する可能性
ロイター
暗号資産規制、銀行への柔軟性求めず?業界団体が政府へ提言 - 法整備の遅れがイノベーションを阻害する可能性

暗号資産(仮想通貨)を取り巻く規制のあり方が、金融業界内で大きな議論を呼んでいます。特に銀行業界においては、暗号資産への対応が遅れ、イノベーションの機会を逃しているのではないか、という声が上がっています。この状況を受け、複数の金融業界団体が連名で政府に対し、銀行向けの暗号資産規制の見直しを求める公開書簡を発表しました。

現状の規制と銀行の課題

現在、日本では暗号資産交換業者に対する規制は比較的整備されていますが、銀行が暗号資産を取り扱う上でのルールは曖昧な部分が多く、明確な指針が示されていません。このため、多くの銀行は暗号資産との取引を敬遠せざるを得ず、暗号資産関連サービスを提供する企業との連携も難航しています。

例えば、暗号資産を活用した決済サービスの導入や、暗号資産を担保とした融資といったサービスは、銀行にとっては新たな収益源となり得る可能性があります。しかし、規制の不確実性から、銀行はこれらのサービスに積極的に取り組むことができません。

業界団体の提言内容

今回、業界団体が政府に提言した主な内容は以下の通りです。

  • 銀行が暗号資産の保管や取引を行う際の明確なルール策定
  • 暗号資産を活用した新たな金融サービスの開発を促進するための規制緩和
  • 国際的な暗号資産規制の動向を踏まえた、日本の規制のあり方の見直し

業界団体は、これらの提言を実現することで、日本の金融業界全体の競争力強化につながると主張しています。また、暗号資産市場の健全な発展を促し、投資家保護を強化することも可能になると期待しています。

今後の展望

暗号資産を取り巻く規制は、今後も変化していく可能性があります。政府は、業界団体の提言を踏まえ、慎重に検討を進めていくことになるでしょう。規制のあり方によっては、日本の金融業界に大きな変革をもたらす可能性があります。

暗号資産市場は、世界的に急速に拡大しており、日本もその波に乗り遅れるわけにはいきません。銀行をはじめとする金融機関が、暗号資産の可能性を最大限に活かすためには、規制の明確化と柔軟化が不可欠です。

Elizabeth Howcroft氏の指摘にもあるように、FTXの崩壊など暗号資産市場におけるリスクも存在するため、規制当局は投資家保護の観点からも慎重な対応が求められます。

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