ネット証券の不正取引頻発!日証協が金融庁と連携し業界ガイドラインを大幅見直しへ - 投資家の不安を払拭する対策とは?
2025-07-01

ブルームバーグ
ネット証券の不正取引、年間の被害総額5240億円超!投資家の信頼を揺るがす深刻な問題
日本証券業協会(日証協)の日比野隆司新会長は、就任会見でインターネット取引口座における不正取引の増加に対し、業界全体で「安心安全なサービスを強化する」方針を表明しました。その一環として、金融庁と連携し、業界のガイドラインを大幅に見直すことが決定しました。
今年に入り、取引口座のIDやパスワードを盗んだ第三者による不正取引が多発しており、その被害額は深刻な状況です。金融庁の発表によると、今年1月から5月までの不正取引の金額は5240億円を超え、件数も1万422件に達しています。大手対面証券やネット証券を含む16社で被害が確認されており、個人投資家の信頼を揺るがす事態となっています。
政府の資産運用立国構想と不正取引の影
政府は「貯蓄から投資へ」という目標を掲げ、若年層を中心に資産運用を推進してきました。しかし、不正取引の頻発は、こうした政府の取り組みにも水を差しかねない懸念を生んでいます。個人投資家が安心して投資に取り組める環境を整備することが急務となっています。
日証協と金融庁の連携:業界ガイドラインの大幅改定とは?
日証協は、金融庁と緊密に連携し、不正取引対策の強化に向けた業界ガイドラインの大幅な改定を進めていきます。具体的には、以下の点が検討されていると見られています。
- 不正アクセス対策の強化:二段階認証の導入義務化や、不審なログイン試行に対するアラート機能の強化など、不正アクセスを防止するためのセキュリティ対策を強化します。
- 顧客への注意喚起:IDやパスワードの管理方法、フィッシング詐欺への注意喚起など、顧客自身ができるセキュリティ対策を徹底するための啓発活動を行います。
- 業界全体の連携強化:不正取引に関する情報共有を強化し、業界全体で迅速かつ効果的な対策を講じられる体制を構築します。
投資家が取るべき対策
不正取引の被害を防ぐためには、個人投資家自身もセキュリティ対策を徹底することが重要です。以下の点に注意しましょう。
- ID・パスワードの使い回しをしない:複数のサービスで同じID・パスワードを使用するのは避けましょう。
- 定期的にパスワードを変更する:定期的にパスワードを変更し、複雑な文字列を使用しましょう。
- 不審なメールやSMSに注意する:フィッシング詐欺に注意し、不審なメールやSMSのリンクはクリックしないようにしましょう。
- セキュリティソフトを導入する:ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどのセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保ちましょう。
日証協と金融庁の連携による業界ガイドラインの見直しと、個人投資家自身のセキュリティ対策の徹底により、ネット証券の不正取引を減らし、安心して投資に取り組める環境を構築していくことが期待されます。