従業員エンゲージメントだけでは不十分!真の組織の健康状態を測るために必要なこと

2025-08-22
従業員エンゲージメントだけでは不十分!真の組織の健康状態を測るために必要なこと
FNNプライムオンライン

近年、企業における従業員エンゲージメントの測定と向上への関心が急速に高まっています。従業員サーベイやパルスサーベイを提供するHRテック市場は活況を呈しており、2023年にはエンゲージメントサーベイの市場規模は10億ドルに達すると予測されています。Workday社がPeakonを7億ドルで買収したり、Culture Amp社が15億ドルの評価額でユニコーン企業となるなど、巨額の投資事例も数多く見られます。

しかし、エンゲージメントの数値だけを追うことは、真の組織の健康状態を把握する上で不十分です。エンゲージメントはあくまで従業員が組織にコミットしている度合いを示す指標の一つに過ぎません。組織が健全であるためには、エンゲージメントに加えて、従業員のウェルビーイング、心理的安全性の確保、そして組織文化の醸成が不可欠となります。

エンゲージメントの限界

エンゲージメントサーベイは、従業員の満足度や意欲を測る上で有効なツールですが、いくつかの限界があります。例えば、サーベイの結果は、従業員が正直に回答するかどうかによって左右されます。また、サーベイはあくまで時点的な情報を収集するものであり、組織の変化や従業員の状況の変化をリアルタイムで捉えることはできません。

さらに、エンゲージメントが高いからといって、必ずしも組織の業績が向上するとは限りません。エンゲージメントは、従業員が組織に貢献する意欲を高める可能性はありますが、その意欲が組織の目標達成に繋がるとは限りません。

真の組織健康診断とは?

真の組織健康診断とは、エンゲージメントだけでなく、従業員のウェルビーイング、心理的安全性の確保、組織文化の醸成など、多角的な視点から組織の状態を評価するものです。具体的には、以下の要素を測定・分析することが重要です。

  • 従業員のウェルビーイング: 身体的、精神的、社会的に良好な状態であるか
  • 心理的安全性の確保: 従業員が安心して意見を言える環境であるか
  • 組織文化: 組織の価値観、行動規範、コミュニケーションスタイル
  • リーダーシップ: リーダーが従業員を育成し、チームを率いる能力
  • 多様性と包容性: さまざまなバックグラウンドを持つ従業員が尊重され、活躍できる環境であるか

組織健康診断の実施方法

組織健康診断は、従業員サーベイ、インタビュー、グループディスカッション、データ分析など、様々な方法を組み合わせて実施することができます。サーベイは、定期的に実施することで、組織の変化や従業員の状況の変化を継続的にモニタリングすることができます。インタビューやグループディスカッションは、サーベイでは把握できない従業員の生の声を聞く上で有効です。データ分析は、組織の課題や改善点を客観的に把握する上で役立ちます。

まとめ

従業員エンゲージメントは、組織の成功に不可欠な要素の一つですが、それだけでは不十分です。真の組織健康診断とは、エンゲージメントに加えて、従業員のウェルビーイング、心理的安全性の確保、組織文化の醸成など、多角的な視点から組織の状態を評価するものです。組織健康診断を定期的に実施することで、組織の課題を早期に発見し、改善策を講じることができます。結果として、従業員の満足度や生産性の向上、そして組織の業績向上に繋がるでしょう。

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