国宝「七支刀」に迫る!CT調査で驚きの発見 - 保存状態良好、文字も鮮明に
2025-05-23

熊本日日新聞社
奈良国立博物館は、石上神宮に伝わる国宝「七支刀」について、初めてとなるX線コンピューター断層撮影(CT)調査を実施しました。これは、奈良国立博物館での展示に先駆けて行われた「健康診断」とも言えるもので、その結果、驚くべきことに保存状態が良好であることが判明しました。
七支刀とは?
七支刀は、左右にそれぞれ3本ずつ刃が枝分かれした独特な形状を持つ鉄製の剣です。その表面と裏面に刻まれた約60文字の文字は、古代中国の年号である太和4年(369年)を記しており、当時の歴史を紐解く貴重な資料となっています。
CT調査で何がわかったのか?
今回のCT調査では、これまで肉眼では確認が難しかった文字の細部が鮮明に浮かび上がりました。長年の展示と時間の経過により、文字の一部はかすれてしまっていたものもありましたが、CTスキャンによってその詳細が明らかになったのです。これにより、七支刀に刻まれた文字の解読が進み、さらなる歴史的価値が明らかになることが期待されます。
保存状態は良好?
調査の結果、七支刀の保存状態は全体的に良好であることが確認されました。これは、石上神宮をはじめとする関係者の丁寧な管理と、奈良国立博物館の適切な展示環境によるものと考えられます。今回のCT調査は、七支刀の保存状態を客観的に評価し、今後の保存対策を検討するための重要なデータとなります。
今後の展望
奈良国立博物館では、今回のCT調査で得られたデータを基に、七支刀の保存状態を維持するための対策を講じていく予定です。また、調査結果を広く一般に公開することで、七支刀の魅力をより多くの人々に伝えるとともに、古代史への関心を高めていくことを目指しています。
国宝「七支刀」のCT調査は、日本の貴重な文化遺産を守り、未来へと繋いでいくための重要な一歩となります。今後もその動向に注目が集まります。