ボージョレ・ヌーボー、メルシャンも撤退!円安と消費低迷で輸入販売から姿を消す
ボージョレ・ヌーボーの輸入販売からメルシャンが撤退!その背景と今後の展望
毎年11月の第3木曜日に解禁される新酒ワイン「ボージョレ・ヌーボー」。その輸入販売から、キリンホールディングス(HD)傘下のメルシャンが撤退することを発表しました。長年、ワイン業界を盛り上げてきたボージョレ・ヌーボーですが、なぜ今、撤退という決断に至ったのでしょうか?
円安、輸入コスト上昇、そして消費低迷…厳しい経営環境が要因
メルシャン側の発表によると、今回の撤退の理由は、円安の進行、輸入コストの上昇、そして消費の低迷による採算悪化とのことです。ボージョレ・ヌーボーは、フランスから日本へ輸入されるため、円安の影響を大きく受けます。さらに、輸送コストや関税なども加わり、輸入コストは高騰の一途を辿っています。
一方、消費者のワインに対する嗜好は多様化しており、ボージョレ・ヌーボーの需要は減少傾向にあります。特に、近年は物価上昇の影響もあり、消費者の節約志向が強まっており、ボージョレ・ヌーボーのような「新しいワイン」への消費は抑制されていると考えられます。
40年の歴史に幕…小売店・飲食店での販売終了、通販サイトのみ継続
メルシャンは約40年前からボージョレ・ヌーボーの輸入販売を手がけてきましたが、小売店や飲食店での販売を終了し、グループ会社の通信販売サイトでのみ販売を継続することとなりました。長年にわたり、ワイン業界の試飲イベントなどを通じて、ボージョレ・ヌーボーの魅力を伝えてきたメルシャンの撤退は、業界にとって大きな痛手と言えるでしょう。
市場はピーク時の2割以下…ボージョレ・ヌーボーを取り巻く現状
ボージョレ・ヌーボーの市場規模は、ピークであった2004年の約2割以下にまで縮小しています。これは、ワイン市場全体の変化や、消費者の嗜好の変化が影響していると考えられます。今後、ボージョレ・ヌーボーがどのように変化していくのか、注目が集まります。
今後のボージョレ・ヌーボーの展望
メルシャンの撤退は、ボージョレ・ヌーボーを取り巻く市場の厳しい状況を示しています。しかし、ボージョレ・ヌーボーには、その軽快な味わいや、毎年新しいヴィンテージを楽しめるという魅力があります。今後、他の輸入業者や販売業者がどのようにボージョレ・ヌーボーの魅力を伝え、新たな需要を喚起していくのか、期待されます。
また、ボージョレ・ヌーボーのマーケティング戦略も見直される必要があるでしょう。例えば、若年層やワイン初心者向けのプロモーションを強化したり、ボージョレ・ヌーボーと相性の良い料理を紹介したりすることで、新たな顧客層を開拓できる可能性があります。