IBMのデザイン思考:ThinkPadから学ぶ、革新的な発想の源泉

2025-07-22
IBMのデザイン思考:ThinkPadから学ぶ、革新的な発想の源泉
Webマガジン「AXIS」

IBMのデザイン思考:ThinkPadから学ぶ、革新的な発想の源泉

IBMという名前を聞いて、リヒャルト・ザッパーが手がけたThinkPadを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。しかし、IBMのデザインの歴史は、それよりもさらに深く、1966年に遡ります。当時のIBM2代目社長、トーマス・ワトソン・ジュニアは、社員に対し、画期的な製品を生み出すための大胆な提案をしました。

ワトソン・ジュニアは、社員に対し、「顧客が何を必要としているのかを理解し、それを実現するための製品を開発せよ」と命じたのです。これは、現代のデザイン思考の概念の原型とも言えるものでしょう。彼は、単に技術的な革新を追求するのではなく、顧客のニーズを深く理解し、そのニーズに応える製品を開発することの重要性を認識していたのです。

デザイン思考の初期:顧客中心主義の誕生

このワトソン・ジュニアの提言は、IBMのデザインチームに大きな影響を与えました。彼らは、顧客の行動を観察し、インタビューを実施するなど、様々な方法で顧客のニーズを理解しようと努めました。そして、そのニーズに基づき、革新的な製品を開発していったのです。

ThinkPadはその最たる例です。ThinkPadは、ビジネスマンのニーズを深く理解し、そのニーズに応えるために開発されました。持ち運びやすさ、堅牢性、そして優れたパフォーマンス。これらの要素は、全てビジネスマンのニーズに基づいています。

リヒャルト・ザッパーとIBMのデザイン

1980年代には、リヒャルト・ザッパーがIBMのデザイン部門を率いることになります。ザッパーは、その独創的なデザインで、IBMのデザインをさらに進化させました。彼は、製品の機能性と美しさを両立させ、IBMのデザインに新たな価値をもたらしました。

ザッパーのデザインは、単なる外観の美しさだけでなく、人間工学に基づいた使いやすさにも配慮されています。彼は、製品を使用する人々の視点に立ち、より快適で効率的な製品を開発しようと努めたのです。

現代のIBMのデザイン思考

現代のIBMのデザインチームは、デザイン思考をさらに発展させ、より顧客中心の製品開発を行っています。彼らは、アジャイル開発やリーンスタートアップなどの手法を取り入れ、より迅速かつ柔軟に製品を開発しています。

IBMのデザイン思考は、単なるデザインの手法にとどまらず、ビジネス戦略全体にも影響を与えています。顧客のニーズを深く理解し、そのニーズに応える製品を開発することで、IBMは常に業界のリーダーとしての地位を維持し続けているのです。

まとめ:IBMのデザイン思考から学ぶこと

IBMのデザイン思考は、ThinkPadの開発から現代の製品開発まで、常に顧客中心の考え方を重視してきました。この考え方は、現代のデザイン思考の重要な要素であり、多くの企業にとって学ぶべき点が多いでしょう。IBMのデザイン思考は、革新的な製品を生み出すための、強力な武器となるのです。

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